ミレニアムブレード【唯一無二!二層構造の持つ魅力】

ミレニアムブレードボードゲーム

ミレニアムブレードという素晴らしい世界観を持つゲームについて先日紹介した。

 ミレニアムブレード 【君は"ミレニアムブレード"を知っているか?】
ボードゲーム『ミレニアムブレード』を紹介する記事。「TCGの世界を体験する」という唯一無二のテーマとプレイ感、魅力について触れる。当記事ではルール紹介を主に行う。ミレニアムブレードのルールが気になる方、アメリカンボードゲームが好きな方、カードゲーム系ボードゲームをお探しの方におススメ

以前の記事ではルールを書いただけなので、今回はプレイ記、感想や攻略について述べていく。

自分もまだプレイ経験は少ない(4人ゲームを2回)。頓珍漢なことを言っていたら是非訂正していただきたいです。

  • ミレニアムブレード、気になってるけど面白いのかな
  • トレーディングカードゲームライクなボードゲームを探している
  • アメリトラッシュ(テーマ・キャラクター重視、派手な展開を含むゲーム)なボードゲームが好き

こんな人向けのページになる。

ゲーム感想

ざっくりした感想

非常に言語化しにくいのだが、ゲームとしての面白さ、出来は5~6/10くらい、楽しさが8~/10くらいのブレンドであった。友人に紹介する時は『2時間かけて全力でプレイするバカゲー』と言っている。(悪い意味ではない)

バランス

ゲーム中始終感じるのはプレイヤー同士でバランスをとれ!と言わんばかりのガードレールの甘さ

  • 特定のプレイヤーを全員で狙うのが効率的なプレイだったり
  • すごく手軽に相手の手札(デッキ)を使用不可能にできたり(自分に得なし)
  • カードゲームなのにコストや召喚制限が殆ど無かったり

僕の初回ゲーム、最終トーナメントで足の引っ張り合いが激化し、デフレ場になった結果、ちょっと変な空気になった。場合によっては卓のメンバーの大半が気分悪くなって終わるかもしれない。そんな危険性をはらんだゲームだと感じている。

いきなりマイナスコメントでスタートしてしまった、良い点ももちろんある。

構築の楽しさ

結局のところこれに尽きる

デッキ構築フェイズが楽しすぎる。このゲーム中に感じる楽しさの瞬間最大風速は今のところこれが一番だ。何がそんなに楽しいのか

  1. カードを買う、人のストレージと見比べる、デッキやコンボを練るという体験(再体験)の楽しさ
  2. 札束が舞い、多くのカードが盤面に入り乱れる視覚的な楽しさ

こう並べるとゲームというよりアクティビティとしての楽しさに近いと感じている。

特に初めて見るカード同士を並べてコンボを考えるのはとても楽しい。カードゲームになじみの無い人に伝わりやすいようにすると

  • ポケモンでパーティを考えているとき
  • 旅行の企画をしているとき
  • 部屋の模様替えを検討しているとき

あたりが近いんじゃなかろうか。(?)

1 (再体験)と書いたのには理由がある。僕自身も学生時代はTCGで遊んでいたし同卓したメンバーも多くがカードゲームの経験者だった。その時の記憶や経験を基にこの楽しさは形作られているのではないか。ミレニアムブレードは、テーマやルールでTCGを再現している。のみならずコンポーネントのイラストやカード効果のデザインも何となく既視感がある。『そうそうカードゲームってこんな感じだよね』と言いながら楽しめるプレイヤー向け=メタ要素強 の可能性は高いと思っている。その分カードゲーマーがプレイした時の楽しさの爆発力がものすごい。

裏を返せば、TCGに全くなじみの無いプレイヤーは楽しめないのではないか?そんな危惧もある。

2 紙幣コンポーネントの持つ強烈な個性はこのゲームの功績の一つだ。ゲーム性には一切関係ないばかりか、むしろ無駄。かさばるので片付けも微妙にしにくい。が、ミレニアムブレードのもつ独特な世界観はこのミレニアムドルでなければ成り立たないだろう。『札束でなぐる』と揶揄されるカードゲームの特徴をよくぞ抜き出したと思う。このコンポーネントにより、ある種のマジックサークルが形作られている。

リプレイ性

ミレニアムブレードの大きな魅力の一つに数えられるだろう。膨大な量のカードセットから任意の組み合わせを混ぜて使用カードとする。ドミニオンなどでも採用されている仕組みである。

同じセットで2プレイしたが、初見カードだらけだ。同じカード同じ展開ばかりで飽きた…とはなりにくい。

ミレニアムブレードのコンポーネント、ミレニアムドルの写真
ミレニアムドル、集めるだけでもなんだか楽しい。

ゲーム中の様子

構築フェイズとトーナメントフェイズでゲーム性が全く違うので2つに分ける

構築フェイズ

前述したようにとても楽しい。思っていたよりも和やかに進む。『僕の引いたこのカード、A君のデッキと相性良さそうだけど交換しない?』『僕の強カード出すのでだれか闇/マシンのカード何でも一枚くださーい』など

デッキコンセプト自体が競合しなければ、『各々が最善のデッキになるようお互い手を尽くす』とても気持ちの良い場になる。ボードゲーム『枯山水』の『庭石を譲る』手に近い感じ。緩い協力感。

その他にも、強いカードを引いたことを独り言ちたり、ただ自慢のためにレアカードを見せてくれたり、ここのテーマ没入感・会話発生率はかなり高いと感じている。

ミレニアムブレードのメインボード写真、大きさ比較用
カードテキストが細かく、市場ボードは広いため、相手の持っているカードが何なのか全然わからないのはマイナスか。比較用のキャプテンリノを添えて

トーナメントフェイズ

カードを1枚ずつプレイしていく。デッキケース、アクセサリーによる効果もここで発揮される。

お互いのデッキ内容にもよるが、場合によってはギスる盛り上がりに欠ける。というかそもそもこのフェイズ、ボードゲームとして面白くないんじゃないかなと思っている。

僕自身の体験した場をそのまま書いていく

1 ソリティア場(1ゲーム目第2トーナメント)

各々がそれなりにデッキコンセプト、コンボを用意して臨んだトーナメントフェイズだった。他人のボードに影響を及ぼすカードはそう多くなく、各自がソリティア的に各自得点を重ねていった。

絡みが少ないといっても『クラッシュ』ルールにより攻撃しあう展開は何度か起きた。クラッシュでの逆転や高効率のコンボを成功させて『おーーー』と小さな歓声が上がったり、構築フェイズで渡したカードが他人のデッキで採用されているのを見てそれに言及したりと、会話はそこそこ盛り上がった。

ただ、相手の場を正確に把握できていた人はあまり居なかったように思う。ボードを広く使うため、相手のカードテキストが全然読めない。ソリティア的な展開が多くなり(なんか遠くでコチャコチャやってるなぁ)と感じたタイミングは少なくなかった。

ミレニアムブレードの登場カード、カラスの女王
見た目が好きなカード、『カラスの女王レノア』
2 強デバフ、強クラッシュ場(1ゲーム目第3トーナメント)

ここからミレニアムブレードの恐ろしさがついに牙をむく。2回のトーナメントフェイズを終えて、全員の所持カードに何となく検討がつき始めると、デッキコンセプトに露骨な差ができ始める

  1. とにかく他人の邪魔をすることに専念したもの
  2. コンボを意識せず、カード単体の強さのみを求めたもの(筆者)
  3. 他人に邪魔されずに安定的な得点を重ねようとしたもの(コンボして守りの動き
  4. バランスよくコンボ、得点効率を取り入れたもの(コンボして攻めの動き

強力なコンボは成功させるのに数ターンかかることがある。3,4のプレイヤーはそんなコンボ(=大量得点)を目指していた。ところが、その時1のプレイヤーが使っていたのは『毎ターン各プレイヤーは自カードの1枚を裏返す』効果をもつカード。ミレニアムブレードでは裏返しにされたカードは何の意味も持たない。コンボはほとんど不発に終わり、前トーナメントのような楽し気な会話は無くなった。

2020/05/18補足、記事内容訂正

【『アクション:』効果を使ったカードは裏返す】というルールに気づかないままプレイしていました。コメントからのご指摘で気が付きましたありがとうございます。

自戒のため記事に訂正は加えておりません

ミレニアムブレードの強力なレアカード、バーニザード
毎ターンカードを裏返すことを強制する効果。
その他に書いてあることも含めて文句なしの強カードだ。

このトーナメントは結局僕が勝利した。ポイントとなったのはおそらく『カードパワーの高さ』。グッドスタッフ的にデッキを構築した結果、多少の妨害では揺らがない布陣を築くことができた。

まとめ

構築フェイズはワイワイプレイできる。相手のストレージを見て感嘆したり、トレード交渉などで会話が盛り上がったりする

一転、トーナメント中は比較的静かに進行する。基本的に内政で得点を高めていく方が効率の良いゲームなので、トーナメント中に会話が発生するとしたら自分にとって好ましくない出来事が起きていることが多い。(妨害やクラッシュの指名など)

他人がうまくカードを回していても『あぁ、なんかあちらでは上手くいっているんだな』みたいなぼんやりと相手を眺めるような、そんな気持ちになる。(妨害カードを持っていれば別だが)

  • 露骨に妨害しあう強インタラクション
  • 極端なソリティア

この2つが同居していて、快い差し合い、絶妙な自他干渉は起きにくい。

カードのプレイ自体は楽しい。いつだって『召喚』は心を熱くさせてくれる。

ミレニアムブレード
クラッシュに更に効果を追加。これを連発されると苦しい。

リプレイすることが前提——2010年代の重ゲー

何度も遊べることはそれだけで魅力的だ。奥の深さ、上達の楽しさを体験できるゲームはリプレイ欲も増す。ただ

『リプレイ性が高い』≠『リプレイ前提』

であるとミレニアムブレードをプレイして痛感した。このゲーム、初回のわからなさが凄まじい。なんとなく手元のカード同士でコンボを作ったら勝った/負けた。何が有効だったのか、勝者と敗者で何が決定的に違うのか、まったくわからない。

引き運、パーティゲームだからと言ってしまえばそれまでだ。しかしこのボリュームのゲームであれば、特にトーナメントフェイズはもうちょっとシステム面を詰めても良かったのではないかと感想を抱いてしまう

例えばテラフォーミングマーズ(ドラフト無し)も大量のカードを使うゲーム・運要素が強いゲームだが、初回プレイでも後半には『何となくうまいプレイング』をうすぼんやりと意識できたりする。初プレイと2回目とでは視点の高さ視野の広さも変わってくる(少なくとも僕はそんな印象だった)

ミレニアムブレードは2回プレイしたが今のところそういった感覚は無い。

おそらく何度もリプレイことでカードプールの把握が進み、より戦略を意識したプレイングができるようになるのだと思う。

が、『膨大なプールの把握』が入り口のゲームって果たしてどうなのか。ボードゲームとしてみた時にあまり好意的な解釈はできない。

ミレニアムブレード、全カードパック一覧。すべて合わせると800枚以上にも及ぶ。
1デッキ15枚程度、これらを複数個組み合わせて使用カードとする。熟練への道は遠い。

2時間越えパーティゲーム?

構築、パーティ、過程

『パーティゲーム』と呼ばれるジャンルがある。定義は決まっていないが

  1. ルールが簡単
  2. 戦略性が薄い(=運要素、器用さ、センスの良さが重視される)
  3. 場が沸く、盛り上がる瞬間がある
  4. 勝敗にさほど頓着しない
  5. (一部)体験、センスの一致・共有を目的とする

あたりが特徴として挙げられる。

4、『勝敗に頓着しない』と感じるのは自分だけかもしれない。少し掘り下げる。

思うに、パーティ系の作品は過程が重視されることが多い。得点を競う過程で生まれるドタバタや、制限の中での表現を楽しむイメージだ。勝利点の獲得それ自体をモチベーション/目的にしている人はあまり多くなくて、『得点行動に繋がり得る行動をとることが望ましい』という制限の中で、如何に

  • うまい回答を出すか
  • 積み木をクリアするか
  • 場を盛り上げられるか

を競うものだと僕は思っている。

5『何らかの一致を目的とする』

例えばイラストゲーム『ディクシット』は美的センスの一致の楽しさ、不一致のおかしみを抽出したものだ。『Guessクラブ』は経験の一致をテーマにしたお題が盛り上がる。『ザ・マインド』は各自の物差しを計り合うゲームといってもいいだろう。

閑話休題。

上記のパーティゲームの特徴、ミレニアムブレードの構築フェイズにも当てはまる。

1 『ルールが簡単』かどうかは人によるものの、とれるアクションは直感的にわかりやすいものが多い。

2 『戦略性が薄い』構築フェイズは運要素が強い。他人との協力で多少は薄まるかな…くらい。なるべく多くのパックを剥いて、引いたカードの中で最良の組み合わせを考える動きが基本になる。アドリブ力というべきか。

3 『盛り上がる瞬間がある』ある。間違いなくある。レアカードを引いた時、いい取引ができた時、コンボを思いついたときなど

4 『勝敗に頓着しない』そもそもこのフェイズで勝敗はつかない。「相手に渡してはいけないカード」などはおぼろげに意識はするものの、その自分の意識がゲームに与える影響はかなり小さい

5 『体験の一致』これは少し判断に迷う。

  • TCGの疑似体験
  • 強カードを手に入れた時の喜び
  • 時間制限のハラハラ感の共有

などをこの項目に入れても良いかもしれない。いずれも楽しいし、ソロゲームでは楽しさの閾値も下がるはずだ。

半面、パーティゲームは長時間続けるのには向かないことが多い。ルールが単純故に飽きやすくもあるし、『盛り上がり』そのものに慣れてしまって刺激が足りなくなることもある。

ミレニアムブレードの基本ルールでは構築フェイズはリアルタイム制だ。赤字で示した弱点を補うために収束性を抜群に良くし、ダレにくくする効果を狙ったものだと思う。

さらに、「ずっとパーティゲームでは飽きてしまう」。そんな事態を防ぐための『トーナメントフェイズ』の苛烈さ・怖さだと仮定すると、このゲームの2層構造に製作者の意図を見出すことができる。

トーナメント、勝負、結果

トーナメントは結果が全てである。お互いに点数を伸ばし、時に妨害し合い、最も数字を稼いだものが勝利する。

敗北者に下駄が履かせられることはない。勝者に制限が課されることもない。厳しい勝負の世界だ。

前述したようにトーナメントフェイズは

  • 強インタラクション
  • 極端なソリティア

この2つが同居する魔境のような空間だ。しかもどんな環境になるかは蓋を開けてみなければわからない。各自のカードの引きに大きく左右される

よく言えば展開が読めない、悪く言えばただの運ゲーだ。バランスが悪い、という感想の大半もこのトーナメントフェイズからきているだろう。

実際のTCGの再現としては悪くないのでは、と言われるとその通りなのだが)

ーーーーーー

『ただの運ゲー』で終わらせるにはあまりにも惜しい作品なので、ある程度好意的な解釈を残しておく。

構築フェイズ中はワチャワチャ楽しんでいたプレイヤー達も、制限時間直前にはこのように考え始める。

『自分が選んだこのカードたちは想定通りの動きをすることができるだろうか』『この妨害カードで狙い撃つべきは誰か、タイミングが重要だ』、トーナメントが始まる前には多少の緊張がある。

この‟ヒリつき”が、構築フェイズで緩んだ気持ちを一気に引き締めるのではないだろうか! 仮説を立ててみる。

スイカに塩、飴と鞭、パーティゲームの合間に戦略ゲームetc…

「ゲームの刺激に慣れてしまうこと」を避けるための2層構造。楽しいアクティビティである構築フェイズと運強めの厳しい勝負、トーナメントフェイズ

そう考えるとミレニアムブレード全体のデザインに一本筋が通ったような、そんな気がしてくる。

『構築のワイワイ感がこのゲームの本流で、ダレないための結果発表タイム(パーティゲームの目的として据えられるもの)がトーナメントである』荒っぽく言うとこんな感じ。

まとめ

ぼくはこう解釈している。ミレニアムブレードはパーティゲームだ。昔TCGで遊んだ仲間たちとワイワイ雰囲気を楽しみながらプレイしよう。バランスの悪さは決して弱点ではない。思わぬ展開、ドラマチックな逆転を演出することができる。君の最強デッキでライバルたちに差をつけろ!!

思うこと

・半分以上悪口みたいになっているが自分はこのゲーム好きだ。最後のまとめでも述べているように運ゲーもそんなに悪いものではない。運ゲーで評価が下がるのは単に心構えの問題だ。

・ただ、楽しんでプレイができるのも『初見カードでコンボを考える楽しさ、時間制限の中で、己の処理能力へのチャレンジ』といった要素が強い。今後、全カードを把握できた時にこのわくわくは維持されるのか。疑問は残る

・上記の感想はあくまで『初回おススメセット、キャラクター効果なし』でのプレイの感想なので、使用カードを変えたらまた違うものが見えてくるかもしれない。

・個人的にはコレクション全振り+直接勝利点カードの戦略が強いんじゃないかと思っている。トーナメントフェイズの環境に左右されにくいため。

ミレニアムブレードのカード、伝説のアイテムの画像
この2枚はコレクション全振り戦略を目指す際にはぜひ手に入れたいカードだ。

・カードレビューもする。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

コメント

  1. […] レビュー記事はこちらhttps://spiellabrador.com/millenniumkansou […]

  2. ken より:

    アクション実施するとそのカードは裏返すはずなので毎ターン同じアクションは出来ないのでは無いかと思います

    • YUYU より:

      コメントありがとうございます。
      今確認しました!ルールを間違えてプレイしていたようです。ご指摘感謝致します。
      該当部分についてはそのまま残し、捕捉でルールミスに触れます

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