Tyrants of the Underdark  ルール紹介【デッキビルド+陣取りの闇のゲーム】

ボードゲーム、タイランツジアンダーダークの箱絵画像ボードゲーム

デッキ構築、エリアマジョリティ、陣取り、地下世界、ダークエルフ…

少年心をくすぐる要素がいっぱい詰まった良作「Tyrants of the Underdark(アンダーダークの支配者たち)」を紹介する。

1人でも多くの人に知ってもらい、プレイ人口が増えることを切に願っている。

入手のきっかけ

デッキ構築ゲームが好きだったから。

元祖デッキ構築『ドミニオン』は勿論プレイ済みであったものの、ある1点にのみ不満を抱いていた。

ソロプレイ感 

これである。人によって感じ方は様々かもしれないがドミニオンのソロプレイ感が苦手だった。

妨害系のカードは対象が他プレイヤー全員であるため、してやったり感もさほど無い。

インタラクションが強め、で思いついたのがエリアマジョリティと陣取りであった。どちらも有限なパイを巡るゲームのイメージがあったし、何よりメインボードがあることが僕の好みと合致していたからだ。

  • デッキ構築
  • インタラクション
  • 広いボード

このあたりの要素を条件に調べたところ、Tyrants of the Underdark(以下タイランツ)がヒットした。

2020年4月現在 日本語化はされていない。和訳付き輸入版等の情報もない。

ゲーム概要・ルール

前述したようにデッキ構築+エリアマジョリティのゲーム。マルチ要素が強く、キングメーカー問題も無視できない。アメリカンなボードゲームである。

デッキ構築らしくカードの購入、デッキ圧縮、コンボなどの要素は当然備えている。

基本セットにはハーフデッキが4種類入っており、このうち2種類を混ぜて使用デッキとする。プレイヤーを飽きさせにくい、リプレイ性を確保した造りとなっている。拡張ではさらに2つのハーフデッキが追加される。

メインボードは広い。色味は悪いもののテーマと相まって雰囲気がある。盤面上の要所を巡っての駆け引きがアツい

広い盤面に目が行きがちだが得点要素は数多くある。いかに競合せずにライバルを出し抜けるか、そんな立ち回りも重要になる。概してインタラクションは強い。

テーマ

プレイヤーは地下世界(アンダーダーク)で勢力を増すダークエルフの4大貴族となる。配下のカードをプレイして時に地域を制し、時により強力な配下を手駒に加え、アンダーダークの覇権を争え!

勝利条件

ゲーム終了時最もVPが高いプレイヤーが勝ち。

VPは主に

  • エリアマジョリティボーナス
  • デッキ内のカードの点
  • 昇格(後述)したカードの点
  • ゲーム中に他プレ獲得した他プレイヤーの駒

によって得られる。

カードの見方

ゲームで使用するカード画像。解説番号付き
いぶし銀なカード、「ワイアーム」
  • カードの名前
  • デッキに加えるためのコスト
  • カード属性
  • 種族
  • デッキシンボル(ハーフデッキの種類)
  • カード効果
  • フレイバーテキスト
  • デッキVP…デッキ内・捨て札に置かれたカードのゲーム終了時の得点
  • サークルVP…昇格したカードのゲーム終了時の得点
  • ハーフデッキ内に同じカードが何枚あるか。(シンボルが見づらいがこのカードは3枚ある)

手番でやること

リソース

タイランツには2種類のリソースしかない

『パワー』『影響力』だ。影響力は市場からカードを獲得する際に必要になる(ドミニオンでいう「銅貨」「銀貨」)。パワーは後述する手番アクションを実行するために使用する。

なおこれらのリソースはアイコンのみで表されており、ターンの持ち越しはできない。

タイランツオブジアンダーダークで使用するカード
蜘蛛の巣のアイコンが影響力を表す
このカードは+2影響力、ドミニオンでいう『銀貨』

手番の流れ

0 初期デッキから5枚ドローしてゲームスタート

1 手札からカードをプレイする

カード効果の解決、2↓で使用するリソースの獲得

2 リソースを消費して以下のアクションを任意の順番で行う

  • パワー消費…自駒の配備
  • パワー消費…他駒へのアタック
  • パワー消費…密他プレイヤーの密偵の送還
  • 影響力消費…?分のコストを支払い、市場から配下カードを購入する。購入したカードは捨て札に置かれる

3 クリーンナップ

手札を全て捨て札に置き、5枚ドローして自ターンの手札とする。1に戻る

また、支配エリアがある場合、毎ターンボーナスが得られる。

アクション詳細

「手番の流れ」で軽く触れたアクションについて説明する。

初期デッキにはパワーをもたらす[soldier]3枚と影響力になる[noble]7枚で構成される。

タイランツオブジアンダーダークの使用カード、初期デッキの画像
少し見づらいが蜘蛛の巣アイコンが影響力、黒い盾のアイコンがパワーを表す

パワーアクション

盤面のマジョリティを獲得するにはこれらのアクションが不可欠だ。

タイランツオブジアンダーダークのカード、ルール説明用画像
このカードは1枚で5パワー。強力なカード。

自駒の配置

①パワーを消費し、自駒1つをメインボードの空いている箇所に配置する。

配置にはルールがあって、

  • 自分の駒がすでに配置されているエリアまたは道
  • ↑に隣接するエリアまたは道
  • 自分の密偵がいるエリア
ボードゲームタイランツオブジアンダーダークのメインボード画像
左下の自駒かから次に展開できるのはその右上のマス(道)
タイランツオブジアンダーダークの盤面の画像。ルール説明
1パワー支払
って駒を配置。これで中央の『TSENVIILYQ』に手が届くようになる。

上記の場所にしか置くことができない。

基本的には地続きで自陣を拡大していくことになるが、密偵さえ配備できれば遠隔地にも展開できる。そんな感じに覚えてもらえたら良いと思う。

エリアは早い者勝ちである。すでに席が埋まっていたら先客を追い出すしかない。↓

アタック

パワーを消費して他プレイヤー及び中立の駒を除外する。除外した駒はゲーム終了時に自分の勝利点となる。

アタックできる場所にももちろんルールがあるが、上記『配備』のルールと同じなので割愛する。

タイランツオブジアンダーダークのメインボード画像、ルール説明
上の画像の続き。要所の駒にアタックし、そこに自駒を配置することに成功

密偵の送還

パワーを消費し他プレイヤーの放った密偵を持ち主の手元に戻す。(密偵を直接倒すことはできない)

戻せるのは例によって自分の駒を配備』できる場所にいる密偵だけである。

タイランツオブジアンダーダークの駒の一つ、密偵。三色の造形の細かいかっこいい駒
密偵駒。小指ほどのサイズしかないのにこのカッコよさ。

カードの購入

得られた影響力を使用して市場からカードを買う。リソースの許す限り何度でも購入することができる。

ボードゲーム『タイランツオブジアンダーダーク』の市場ボード画像
市場ボード。イラストも世界観たっぷり

このボードの上段にカードが並ぶ。1枚買ったら新たに補充される。

下段は基礎的なカード(ドミニオンでいうお金、勝利点、呪い)類置き場と、廃棄エリア、勝利点チップ置き場を兼ねている。

ボードゲーム『タイランツオブジアンダーダーク』の市場ボード画像。ゲーム中を再現したカードが沢山のった画像
実際のゲーム中はこんな感じ

上段に登場するカードはゲームによって変わるので詳しい解説はのちの機会に譲るとして、基礎的なカードを紹介する。

ボードゲーム『タイランツオブジアンダーダーク』のカード画像
全体的に絵が暗い

市場ボード右下にあるのがこれらのカード、

一番左の[outcast]はハズレ。デッキをダブつかせ、プレイヤーに有益な効果を持たない。ドミニオンでいう呪いカードだ。特定のハーフデッキでこのマイナスカードを利用するカードも登場する。

真ん中の[priestess of lolth]は[noble]の上位種で、1枚で2影響力が得られる優秀なお買い物カード。

右の[house guard]は上記のパワー版で1枚で2パワーを与えてくれる。

これらの基礎カードと市場上段の強烈なカードを組み合わせて盤面を獲っていくのが基本的な動きになる。

ちょっと用語解説

テキスト中に登場する用語について一部紹介する。

supplant(乗っ取る)

1つのアクションで他駒への「アタック」と自駒の「配備」を行うこと。

カードテキストでしか登場しない、強力な効果

move(動かす)

他駒を今配備されている場所からボード上の好きな場所に移動させる。

盤面の駒の総数は変わらないものの、要所から離れた場所に飛ばしたり、他プレイヤー同士をぶつけたり汎用性は高い。コストが低めに設定されていることも多い。

promote(昇格)

デッキからカードを取り除き、勝利点へと変える。

デッキを圧縮し強力なカードが手札に来やすいようにする+ゲーム終了時の得点で2度嬉しい。

ボードゲーム『タイランツオブジアンダーダーク」の登場カード。解説用画像

このカードは、ターン終了時にそのターンプレイしたカード1枚を昇格させる効果を持っている。

ゲーム終了時の得点は、カード下部の丸い枠にある数字で示されている。(このカードの場合は3)

基本的にデッキに入れておけば点になるのだが(カード下部の四角の枠)、デッキから取り除いた場合には得点が大幅に増える。

まとめ

ルール自体はさほど難しくない。カード効果が色々重なって慣れるまで多少面倒なだけである。

  • 日本語版がない
  • カードテキストが多い
  • テーマが人を選ぶ

等の理由からか、あまりプレイする人を見かけない。個人的にはもっと遊ばれていても良いんじゃないかなぁと思っている。

感想・考察は追ってアップする。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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