先日の『ラチッタ』紹介記事に引き続き、超好きなボードゲームについてレビューするだけのブログ記事。
非常に派手な展開と軽いプレイ感、『スマッシュアップ』について紹介する。僕は拡張もいくつか所持しているが、あくまで基本版準拠でのレビューである。
個別カード紹介はこちら
スマッシュアップ入手の経緯
3人以上でプレイ可能なTCGライクなゲームを探していた。
僕はもともとトレーディングカードゲームが好きだった。地元の大会に出たり、高額なカードを次々入手するようなガチ勢では決してなかったが、小~中学校時代は友人たちとかなりのめり込んでいた。(遊戯王とデュエマ)ボードゲームを好きになる資質はこのあたりの経験で育まれていたのかもしれない。
ボードゲームの中には、TCGっぽいゲームが数多くある。その多くが2人用だ(と、当時の僕は感じていた)。
2人でやるなら既存のTCGの方がカードプールが広い分よっぽど面白いし、プレイヤーも多い。2人専用カードゲームは僕の中での需要が皆無に等しかった。
また、複数人対戦カードゲームといっても、カード効果でエンジンを作ってうまく回転させたほうが勝つ、といったようなゲーム(テラフォーミングマーズやウイングスパン(?))などはちょっと求めるものと違っていた。もっとしっかり争いたかった。
まとめると、
- カードテキストたっぷり、コンボがある、考える楽しさがある
- ドンパチ殴り合い、派手な展開
- 3人以上でプレイ可(2人専用ならデュエマやる)
こんな需要があった。
上記のとてもわがままな要望をゲームショップの店員さんに伝えたところ、即答で『スマッシュアップ』を紹介してくれた。今にして思うとあの店員さん、めちゃくちゃ優秀だった。
ゲーム概要・ルール概要
テーマ
自分の陣営を操って、目指すは『世界征服』だ!各地の秘密基地を撃破しVPを稼ぐのだ!
登場するのはゾンビ、海賊、宇宙人、恐竜..etc
なんでもありのシャッフル構築ゲーム!
プレイ人数 時間
対応人数2~4人 プレイ時間 慣れたら30分。初回はカードテキストの把握に時間がかかるため45分~くらいは要する。
特徴
基本版だけで8つのハーフデッキ(20枚)が入っている、買い切り方のカードゲーム。(LCGというらしい)
ハーフデッキを2つ組み合わせて、プレイヤーの使用デッキにする。
カードには戦闘員(以降ミニオンと呼称する)とアクションの2種類がある。
ミニオンは遊戯王でいうモンスター、デュエマでいうクリーチャー。アクションは魔法カードやトラップカードだ。わかりやすい。
ハーフデッキにはそれぞれテーマ...というか種族が設定されている。
- 恐竜…パワーに優れる
- 忍者…トリッキーな動き。妨害手段も
- 魔法使い…ドロー、サーチが得意。パワー控えめ
- 海賊…得点につながる動き、攻撃性能が高い
- ゾンビ…墓地利用が得意
- 妖精…妨害、牽制が得意
- 宇宙人…独特な動きで相手にするとやりにくい(デュエマでいう水文明
- ロボット…増殖と盤面制圧が得意
各種族の特徴は清々しいほどにイメージ通りだ。
各プレイヤーは、これらの陣営を率いて秘密基地を攻め落とす。秘密基地には耐久力が設定されていて、
その秘密基地に派遣されているミニオンのパワー>基地の耐久力
となったとき、基地が陥落する。陥落により多く貢献したプレイヤーほどVP(勝利点を多くもらえる)
手番の動き
非常にシンプル。
1ターンにできることは2つ。
- 手札のミニオン1枚を好きな秘密基地に派遣する
- 手札のアクション1枚を使用する。
いずれも強制ではない。手番をパスすることもできる。
カード効果でミニオンを追加で派遣出来たりアクションを多く使えたりもするので、1手番が間延びすることは割りとある。ただ、通常1回で終わるところを複数回行えるのはとても気持ちがいいのでこの点はあまりデメリットに感じない。(『さらにモンスターを特殊召喚!』的な。ワーカーの増員、ドミニオンの追加アクションと近い)
ターン終了時にデッキからカード2枚を引く(よく忘れる)
魅力・欠点
A)魅力
1 (TCG的な)ベタさ
思いっきりベタ。上記の陣営紹介でも触れたが、カード効果が驚くほど想像を超えてこない。TCG黎明期の香りを残した効果が数多く登場する。(決してバカにしているわけではない)。むしろ心地よいのだ。あらゆるカードゲームはインフレする運命にある。効果は派手になり、伴ってテキストはどんどん増え、ますます複雑化したゲームは新規参入のハードルを上げる。
スマッシュアップにはそんな心配は無用だ。久々にコンボやってみたいな、昔よくプレイしたあのトレーディングカードゲームまたやりたいな、このような気持ちに応えてくれる。コンボをつくるのも簡単だし、1枚1枚のカードパワーが高いため爽快感もある。
ゾンビは墓地から召喚できる。恐竜はパワーが高い。忍者は手札から突然出てくる等々、TCG経験者なら『あるある!』と頷きたくなるような効果がたくさん登場する。
【脱線】スマッシュアップで唯一予想を外したのが『妖精』
可憐なフェアリーを想像していたのだが、実際はドワーフ系というか、『土の精』みたいなやつらだった。半分くらいオジサン。何故だ。
2 共通の目標
従来のTCGは思いっきり削り合いである。相手の場を守るモンスターを倒し、敵のライフポイントを削ることが勝利条件だ。もしこれを多人数戦で再現したら大変なバランスのゲームになってしまうだろう。
スマッシュアップの最も素晴らしい点は、『TCGライクな効果をもったミニオンが』、相手でなく秘密基地=『共通の目標』を目指す、というところだと思う。他プレイヤーのミニオンを攻撃することはできても、プレイヤー自体を攻撃することはできない(VPを減らす、奪うといった効果はない)。
また、秘密基地が複数設置されているのもいいルールだ。1つの基地にこだわって大きく得点を重ねるか、複数の基地で2位狙い、3位狙いを狙うかはプレイヤーのとる戦略次第。書いていて思ったが、これはエリアマジョリティの基本姿勢に近い。
まとめ
複数人同時対戦カードゲームとして、限りなく正解に近い!(TCGプレイヤーにとっては)
B)欠点
いいところをもっと細かく上げたいところだが、結局は上記2つに集約されると思う。のでここからは悪いところ
1 運ゲー感、手なり感
まぁアメリカンなカードゲームだしね…という感じ。ガチガチに戦略を立てて勝利を狙うゲームではないと思う。ワー!ギャー!やられたー!を楽しめるメンバー、覚悟で臨んだほうがいいかもしれない。
ドローカードが少ないので長期的な戦略よりはその場その場の戦術、今ある手札で見通しを立ててゆくタイプのゲームである印象。
2 TCG経験がない人は…?
楽しめない、とは言わない(TCG経験のない女子も楽しんでプレイしてくれていた。)が、より楽しめるのはやはり元々カードゲーマーだった人だろう。
魅力の1でも述べたように、そもそもがメタ的な楽しみ方をするゲームだと思っている。僕自身、プレイの殆どが中学時代の友人とだ。『少年時代に共にカードゲームで遊んだ』という文脈を共有して初めて、このゲームの魅力が最大限に発揮されるはずだ。
思うこと
・お願いだから拡張を日本語版で出してください…
・カードゲーム、テキスト効果、アメリカンボードゲーム、バカゲー(いい意味)が好きな人にはとってもお勧めできる。
・陣営ごとにかなり強弱があるのは欠点といえば欠点だが、それすらも愛せる。明らかな弱陣営でもうまくコンボがハマると強敵を倒せたりするのはカードゲーム漫画の主人公感があって楽しい
・この記事を書いていて思ったこと。あまりに好きだとうまく言語化できないものだなぁ
・カード効果がメインのゲームなので、カードレビューなどの記事も今後作成していく予定
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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