ラ・チッタ(La Citta)【古き良き傑作】

ラチッタボードゲーム

マイベストゲームの一つ、ラ・チッタ。その紹介記事である。

今までに3人プレイを4回、4人プレイを2回。とても好きなゲームなので、一人でも多くの人に知ってもらいたく記事作成に至った。プレイ回数はあまり多くないものの、おぼろげながら戦略のようなものが掴めてきたためそちらにも触れる。

ラチッタ入手の経緯

カタンのようなゲーム」を探していた。

振り返り日記でも述べた通り僕はカタンが好きだ。10時間耐久カタン会などもざらにあったのだが、色々なゲームをプレイするうち、以下のような考えを持つようになった。

カタンより運要素の少ないゲームが欲しい。ダイスの巡りによっては開始数ターン暇な人が出てしまう。ただ、あまりに運の比重が小さいのは窮屈だ。

カタン終盤に起こる足の引っ張り合い、及びキングメーカー問題はよろしくない。収束性は大事。

カタンが物足りない人向け(自分も含む)にもう少し重いゲームが欲しい

逆に、以下の要素はとても好みだった→こう考えていた

領土拡大→目に見えて自分の土地が広がるのは楽しいし写真映えもする。

メインボード→「ボード」はちゃんとあると良い。「ボードゲームらしさ」が増す。

可変式ボード→気に入ったゲームはとことんリプレイする派なので初期セットアップが組み替えられるのは魅力だ。

妨害要素→(長くなるので別記する)

ボードゲームカタンを自宅で遊ぶ様子
自宅カタン会。懐かしい

妨害要素(≒インタラクション)について

妨害要素は絶対にあってほしい。インタラクション(相互作用、相互に影響を与え合うこと)を求めてボードゲームをプレイしているようなものなのだ。手元でリソースを管理しその巧拙を競い合うような、いわゆるソリティア要素の多いゲームを自分はあまり好かない。

相手と思考力を比べ合い、優劣をつけ、勝ち誇ったりとことん負けるのが好きなのだ。さらに性格の悪いことを述べるなら、「相手に勝つ」より「相手を負かす」のが好きだ。明確に自分の一手で沈めた、という実感を得たい。

「ヘルシング」の少佐や「ダイの大冒険」のフレイザードを想像してくれたら近いかもしれない。(「フレイザード」が予測変換に出現して驚いた) 世間一般では、優秀な人間の謙遜するさまが美徳とされがちだ。驕る平家は久しからずマインドの蔓延した今日で、勝ち誇りドヤ顔を晒すのが悪徳とされない世界はとても貴重に感じる。

話が脱線してしまった。 このコラム自体が本筋(la citta)からの脱線なので構わず続ける。

インタラクションにも様々ある。ここでは攻撃要素について軽く私見を述べておく。

相手の資源や勝利点を削ること=自身の勝利点・勝利への前進 になるゲーム(スモールワールド、クー、レーベンヘルツ等)これらは「直接攻撃」と表現されることが多い。間違いなく攻撃要素だ、僕の求めるゲームとして大変好ましく思う。一手に明確に意思が乗る。卓を囲う友人たちが、ゲーム世界では蹴落とすべきライバルに様変わりする。日常生活では中々体験できない。

ただ、やはりアメリカンアメリカンしているというか、エレガントな手段ではないなと感じることも多い。

  • ・プレイヤー同士でバランスを取り合う
  • ・キングメーカー問題
  • ・あまりに直接攻撃前提ゆえに、「やってやった感」に欠ける(気持ちの良い試合になってしまう)

など。 一方で上記の定義にはまらない「攻撃」も数多く存在する。

ここで僕が言及したいのは「相手のしたいことをさせない」「勝利点へのアプローチそのものを邪魔する」タイプの攻撃、言葉にすると「妨害」が近いかもしれない。ちょっとうまく表現できないがカタンにはこのタイプの攻撃要素(=妨害)が含まれている。

  • ・最長を狙う相手の道の先にこちらの道を置いておく
  • ・甘い土地を独占するためにあえて六角形の対角に家を建てる

など。

「家を建てる」=「へクスの3箇所を建設不可に」し、且つ「勝利点行動」であり、さらに「相手の資源や勝利点を削っていない」。決して「直接」ではないが、紛れもなく「攻撃」だ。この構造をとても魅力的だと感じる。

ユーロチックな、美しいメカニクスだ。「相手の意図を見抜いた感」とでも言おうか。有効に布石を打てた時は感想戦も盛り上がり、楽しい。

長くなったが、カタンの次のゲームを探すにあたり この「妨害」要素は必要だった

そんなことを考えながらネットで調べたり詳しい友人に訪ねたりしていたら、ラチッタを見つけることができた。レビューなどを読む限り自分の持つ需要をおおむね満たすものである。2000年出版のゲームなため探すに苦労したが、手放す予定の方からのご厚意で入手することができた。

ゲームの概要

テーマ

イタリアの領主となって小都市を発展させるゲーム。イタリア語でla(冠詞)+citta(都市、町)でラ・チッタ。
人口を増やすことがゲームの目的となる(市民の人数=勝利点)。

人口を増やすためにやることは多い。にっちもさっちもいかなくなることがある。プレイヤーはゲームを通して政治の一側面を体験できる。

特徴 

シミュレーションゲームライクなボードゲーム。インフラを整備し、人口増加の基盤を作る軸と、他所の都市からの移住者をいかに確保するか、という2軸で展開される。市民の気まぐれさがシステムに表されていて、純粋な戦略ゲームにはなっていないところがとても良い。

市民の移住は勝利点の増大にもつながるが、同時に食糧不足=失点・カツカツ化の原因にもなる。まるで移民によりGDPが増す一方で、元々の最低賃金労働者が職にあぶれるかの如くだ。(少し盛った。気にしないでほしい。

アートワークが良い。ボード上のカード置き場のイラストなど惚れ惚れする。市民コマの出来も良い。ルール上では特に意味がないのにもかかわらず男女でそれぞれ2種類、計4種類の駒があり、精巧だ。

おおざっぱな言い方だと拡大生産、へクス、タイル配置、領土拡張、中世イタリア、カタンあたりが好きな人ならおそらく気に入る。

ボードゲームラチッタのメインボード画像。
ゲームには関係ない、ボード外のデザインが素敵だ。

その他

プレイ人数2~5人、 90分~120分級 

ルール量はそんなに多くない。カタンが理解できるメンバーなら支障なくプレイできると思われる。

ルール概要

ざっくりとルールを紹介する。

プレイヤーの目的は都市を発展させ人口を増やすことだ。市民コマ1つがそのまま1勝利点となる。また、魅力的な街づくりに成功するとボーナス点が入る。

ラウンド制のゲームである。1ゲームは6ラウンド、1ラウンドにつき5アクション。アクション権の増加はない(減少はある)ので収束性は高い。

プレイヤーはそれぞれ2つの城をメインボードに配置してゲームを開始する。「城」がスタートタイル。城に連なる建物タイルを「都市」と呼ぶ。

1ラウンドは一年を表していて、プレイヤーたちは6年間かけて自都市の発展と人口の増加を狙う。ラウンドの流れは以下の通り。

  • 1.スタートプレイヤーの変更
  • 2.民衆の要望カードの配置(最初の1枚は表向き、残り3枚は裏向き)
  • 3.採石場から収入を得る
  • 4.人口の増加(各都市は1体の市民コマを獲得する)
  • 5. 5回のアクション(基本アクションカードと政治カードの組み合わせ)
  • 6.民衆の要望を開示する
  • 7.6の結果次第で市民の移住
  • 8.食料供給

太字の箇所がラチッタのメインとなる部分。というか太字以外はほとんどシステム処理だ。7も意思決定にはそんなに時間を要しないはずだから実質5がメインフェイズと言っていいだろう。

1はおなじみスタP 変更、アクションの先取要素もあるため手番順は重要だ。

2ではそのラウンドの“流行”を決める。「文化」「教育」「健康」の3種類のカードそれぞれが9枚ずつ混ぜられたデッキからランダムに4枚引き、一枚を表向きにする。

3定期収入 1ラウンド目では発生しない。

4各都市は毎年人口が1000人増える(1駒で1000人を表している)。人口2千人の田舎の都市でも、人口1万5千人の大都市でも毎年同様に1000人増える。この増加がなかなか曲者だ。プレイヤーに課せられる食料供給のラインが毎年必ず上がっていくのだ。

初期状態だと各都市は5000人(市民コマ5つ)までしか維持できない。市場を建てるとその上限が8コマまで延び、さらに噴水を建てることで上限が無くなる。

5メインフェイズ。基本アクション0~3回、政治アクション2~5回を好きに組み合わせて計5回アクション権が与えられる。1アクションしたら手番が移る、を5周。建物タイルを配置するものと、お金をはらって特殊な効果を齎すものとがある。

6 2をめくる。その年のトレンドが発表される。楽しい。手品の種明かしのような、テスト返却時のような、そんな楽しさがある。共感されたことは無い。

7 市民は近隣の最も魅力的な都市に移る。これもまた曲者で、移住先の都市が新住民を賄えるほどの余裕がない場合、越してきた彼らは飢えてしまう。故郷を捨てて憧れの美しい街に移り住むも、現実は悲惨なものだった…的な。 作者が意図したものかは不明だが、ブラックジョーク風味で気に入っている。 漫画「イノサン」でヴェルサイユ宮殿の美しさと自身の有様を比較し絶望したキャラクターがいたのを思い出す

8食料供給 自都市すべての生産する穀物量>市民であればセーフ。何事もなく次ラウンドにすすむ。穀物量<市民の場合、同数になるまで市民を減らす。さらに恐ろしいことに追加のペナルティとして次ラウンドの5アクション権を4に減らされてしまう。とてもつらい。

細かいルールはまだあるが大まかにはこんな感じ。

ボードゲーム『ラチッタ』の市民コマ。造形の細かい人型駒の写真
市民コマは大体1センチ強の大きさ。造形が細かく、デザイナーの執念を感じるようでとても好きだ。

魅力・欠点(「カタンの次」足り得るか)

「入手の経緯」の項で述べた、カタンの長所短所と比較して挙げていく

A)魅力 

1 運要素

少ない。運が上振れさえすれば無策でも勝てる、といったゲームではない。

政治カードのめくり運はあるものの、露骨な強カード弱カードは存在しない。民衆の要望カードは、ちょっと言語化しにくい感覚なのだが、「来るべき脅威」の表現というか、「制すべきもの」。ゲームに揺らぎを与えるものとしてデザインされている。ほんとわかりにくくてすいません。

不確定要素を乗りこなす感覚だ。運の上に戦略を盛り込む能力が問われる。シミュレーションゲームっぽさはこの感覚に起因するのだと思う。

2 収束性

高い。そもそもラウンド制だし、追加アクションは無い。

3 キングメーカー問題

発生し得る。ゲーム終盤になると、強都市、弱都市とがはっきり分かれる。あるプレイヤーが強都市の近くに新たな都市を建設すると、その新都市は完全に養分にされる。要は、他者に1~3点くらいを譲渡する動きはできるのだ。幸い僕の経験した卓では上記の動きをするプレイヤーは出なかったが、この点はちょっとガードレールが弱いなと感じる。

4 ルール量・プレイ感

若干重い。カタンが物足りない人向けに~を条件にゲームを探していたが、プレイしてみるとあんまり変わらないんじゃないかと思う。というかカタンってそこそこ複雑だよね。あれ以上、となると所謂重量級になってしまうのではないか。

僕の中ではラチッタは中~重量級。エルドラド/スモールワールド/枯山水と同じくらいの立ち位置だ。

5 領土拡大要素・メインボード

大いにある。へクスをつなげて自分の街が広がっていく様は壮観だ。メインボードは広く、写真映えもする。

土地は可変式で、その点も好みだ。といっても、農地、鉱山、湖の3種類しかないので、み合わせはカタンほど豊富ではない

6 妨害要素

ある。最初の方にかいた例のやつだ。タイルの配置にはいくつかルールがある。

  1. 別の都市(自/他プレイヤー問わず)とくっついてはいけない。
  2. 噴水と公衆浴場は湖に隣接するマスにしか建てられない。

1は当然といえば当然で、どのタイルがどの都市の所属かわからなくなってしまうのを防ぐためだろう。

2はテーマ上の必要性、だろうか。都市に噴水を建てると人口の上限が解放される。都市の衛生確保・人や家畜の飲み水の確保は重要だ。そのような事情をシミュレートしたものだと推測する。実際このゲームでは噴水・公衆浴場は共に「健康」のバロメーターを上げる。

話を戻す。1がラチッタの好きなところである。言い換えると、自分の置いたタイルの隣には、他プレイヤーはタイルを置けなくなる。ちょっとカタンと似ていると感じる。三叉路の真ん中なんかに自分のタイルを置けたときはたまらなく楽しい。このゲームでは毎ラウンド領土を拡大することを強いられるため、それをうまく邪魔できると相手の自爆(食料供給不可)も誘うことができて楽しい。楽しい。

ラチッタのメインボード画像。盤面解説画像。
ピンク都市の攻めの一手。ピンク都市が水辺に農地を建てたことにより、赤茶都市は噴水を建てられない。赤茶都市のこれ以上の発展は難しいだろう。(見やすくするため市民コマは外した)

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(B)いまいちに感じる点

1 視認性 

悪い。平面なタイルの上に灰色の市民コマを乗せるため、タイルの情報が読み取りづらい。魅力度を数えるのが億劫になる。駒はとても小さいので、各ラウンドの最後に市民の数を数えるのも大変だ。目が疲れる。

また、どの都市がどのプレイヤーのものかも一目で判断しづらい。都市の中心部、スタートタイルである「城」を探すしかない。慣れるまで少し不便だ。

2 プレイアビリティ

一部低い。視認性と似た話になってしまうが、市民コマが小さくて各タイルの上へ乗せるのに苦労する。移住が頻繁に起こるラウンドでは指先に気を遣う。

また、作物の生産量は穀物タイル(チット?)で表されている。食料の支払いなどのイベントは発生しないため、メーター管理でいいよね、という声もあった。(2回聞いた)2000年発売のゲームなのでそこらへんはちょっと許してやってほしい。個人的にはメーター管理よりは手元にキューブなりコインなりの形で資源が溜まっていくほうが好きだ。

ボードゲーム『ラチッタ』の盤面解説画像。細かいタイルの上に市民コマが乗っている
一つ上の画像に市民コマを配置した図。せっかくのタイルアートが少し残念な感じになる。

3 逆転可能性

あまりない。拡大再生産系のゲームにはつきものかもしれない構造だ。一度優位になったプレイヤーを止める手段は殆どない。カタンのように下位の団結でどうにかもできない。4~5ラウンド目で、「あ、私は1番になれないな」とわかってしまうような、悪い意味での見通しのよさがある。

4 リプレイ性 

期待していたほどにはない。これは自分でもちょっと意外だった。同じメンバーで2回連続、くらいまでは想像できるが、10回も遊べるとはなかなか思えない。非対称能力、ポイントサラダなゲームに比べるとリプレイ性は低いと感じてしまう。

ただ、同じメンバーで3回プレイしたことはないし、「初ゲームでの推奨配置」以外のセットアップでプレイしたことは一度しかないのでリプレイ性については評価を改める可能性がある。

ラチッタは「カタンの次」に成り得るか

なると僕は思っている。超主観的な話をすると、ボードゲーム初心者の友人に「カタンの次」として紹介したらとてもウケた経験が2回ある。もっと元も子もない言い方をすれば人による。カタンのどの点を好きになったか、に大きく左右される。カタンの

  • 領土拡大
  • 「妨害」
  • 拡大再生産
  • モジュラーボード
  • ランダム性
  • 交渉
  • リソース管理
  • ダイス
  • 盗賊等の攻撃

これらの特徴のうち、どれを気に入ったか。僕や友人たちは幸いにも上4つを気に入っていたためラチッタに適性があった。下線部の要素が好みであればこのゲームは大いにその需要を満たすだろう。

「カタンが好き」と一口にいってもどの要素が好きなのかは個人差がある。肝に銘じておきたい

攻略のようなもの

現時点(2020.03.09)で自分がぼんやりと考えていることを書いていく。間違っている可能性もある。ご容赦。

1)美味しい土地<攻め込まれにくい土地

ラチッタで一番辛いのはこんなパターンだ

食料供給不可or市民の移動→市民が減る→市民がタイル上からいなくなり、配置したタイルを取り壊す

これは本当に辛い。食料供給不可の場合は市民がいなくなったことで次ラウンドのアクション権も減るばかりか、以前のラウンドで建てたタイルを取り壊す=1アクションの損もしている。全30アクションのゲームで2手番損をするのは痛い。移動で失った場合でも、そのまま相手の勝利点になるため大変よろしくない。

ではこれをどう避けるか。どの都市とも隣接しないような場所に建てればよい。近くに他の都市がなければ移住は起こらない。

穀倉地帯の生産力が低いエリアは人気がなく、強都市の手が届きにくい。そこでひたすら農地を建てよう。万が一どこかの都市と隣接しても、1都市までならラウンド頭に降ってくる1市民とで差し引き0だ。

ゲーム終盤になるとこんな甘いことも言ってられなくなるが、序盤にサブ都市(下の項で説明する)の一つを地味な土地に配置するのはアリだ。

2)特化型の都市、バランス型の都市

このゲームではやるべきことが多い。市民は毎年増えるから農地を建てるのはマスト。増える市民を賄うために市場と噴水の建設もすべきだ。市民の流入を狙うべく魅力度も上げなければいけない。魅力度を上げるには高価な政治カードが有効だ。お金を得るために鉱山に採石場を設置しなくては…

これを2都市同時に行うのは少々骨が折れる。多分完璧にはできない。

  • メイン都市はジャンジャン拡大!魅力度を上げまくって勝利点を確保してガンガン発展!
  • サブ都市は資源確保!農地、市場、採石場しか建てないぞ!

程度の差はあるが、大体がこんな感じになる。2都市同時にマネジメントするのはとても難しい。

一度だけ、2都市をバランスよく発展させることに成功したことがある。2つとも生産力の低い不人気なエリアに建てたのだ。序盤はのんびりと他都市の動向を気にせず発展できたのだが、後半には他都市の労働力を吸い取って出来上がった強都市に蹂躙された。

結局、「流出の心配がない」=「流入の可能性もない」わけだ。

3)民衆の要望カードを覗く意味はあるか

ボードゲーム『ラチッタ』で使用するカードの一つ「市民への接近」
民衆の要望を聴くカード
[市民への接近]

市民の声は3枚伏せられている。政治カードによりそのうちの2枚を覗くことができる(追加で2金払うことですべて見られる)。現ラウンドのトレンドを把握するのは確かに有効だ。情報は武器になるとホリエモンも言っている。しかし、以下の点がネックだ

  1. 一手番の損…そのまま。その一手で農場か採石場をたてれば確実なプラスになるのでは?
  2. 他プレイヤーの追従…一手番損して得た情報でトレンドの魅力を上げようとすると他プレイヤーにも真似される。彼らは労せずして情報を得られる。
  3. 何もわからないリスク…伏せられたカードと元から明らかなカードで3種類そろうことはある。何も得られない。

2に関しては、「政治カードでとても追いつけないくらいの魅力度上昇(大学)などを図る」「最終手番で魅力度を上げる」などで対策可能だ。一方1.3は避けられない欠点である。このアクションは外れなのか。

そんなことは無い。一手番の損をし、且つ何もわからないリスクを許容できる状況ではとても有効なアクションなのだ。婉曲な言い方になった。要は

暫定トップのプレイヤーが自分の立場をさらに盤石なものにするために打つアクションなのである。

下位プレイヤーはもっと生産力の向上に努めるべきだ。逆転のためにはこのアクションを選ぶべきでない。

ラチッタの建物サマリー。細かいタイルの効果が記されている
大学・大聖堂を建てたプレイヤーに魅力度で追いつくのは至難だ。

思うこと

(A)ラチッタ大好き

上に挙げたようにラチッタには欠点が数多くある。完成度では今風のゲームに劣ることもあるだろう。でも自分はこのゲームが好きだ。ゲームに物語がある。歴史の追体験をするような不思議な感覚を齎してくれる。連続でプレイすることはなくても定期的にプレイし続けたい。いろんな戦略を試したい。もっと多くの人に広めたい。この記事を読んで「ラチッタやってみようかな」と思っていただくことができればそんなにうれしいことは無い。

みんな、ラチッタやろう!!

少々値は張るが本当にお勧めなのでぜひ

(B) バリアント、拡張の余地

バリアントは一度試した。最初の資金をUPさせるシンプルなものだ。初期のカツカツ具合が幾分薄れてより拡大が進むことを意図していたが、あまり変わらなかったように思う。

拡張の余地は大いにあると感じている。新アクションカードや、新しい建物タイル。毎ラウンドにイベントを追加したり、非対称能力を加えても良い。たまに空想している。

公式に拡張がでる可能性はかなり低いと思われる。デザイナーのGerdFenchel氏は近年制作活動をしていないようだし、BGGランクもそう高くはない。残念ながら需要は無いだろう。

(C) レビュー和訳(一部抜粋)

拡張、視認性に関してちょっと面白いレビューを見つけたので紹介する。かなり意訳・割愛している。

ラチッタのボード上はちょっと忙しないね。特に後半になると状況をつかむのに苦労するよ。数回プレイして慣れれば大したことは無いんだけどさ。

市民コマを灰色じゃなくてプレイヤーカラーの5色で作ればよかったと思うよ。移住することで色が混ざるかもしれないけど、各都市には元々の支配色が残っているわけだし、「移民コミュニティ」の多様性を表現できて素敵じゃないか。

「よそ者」をより多く惹きつることのできる成功した都市だ、って視覚的にわかる。政治がうまくいったぞ!って感覚も強化される。

自分には思いつかないアイデアだった。「自分の都市に全色の市民コマがある」ボーナスなどの仕組みがあっても面白いかもしれない。

(D)今気になるゲーム

記事作成をしていく中で自分の好みがいくらか整理された。今は何となくハチエンダが気になっている。

ボードゲーム『ラチッタ』の盤面画像。広くきれいな地図状のボードの上に地形や町、市民が息づいている様子
ゲーム序盤。画面奥の都市はいきなり接近している。手前はサブ都市だろう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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